忘れもしない、1984年夏のことだった。 当時学生だった私は、友人と連れ立って、富山県の利賀村で開催されていた国際演劇祭「利賀フェスティバル」に出かけた。 演出家・鈴木忠志が率いる劇団SCOTを中心に、世界から最先端の演劇やダンスカンパニーが集まるこのパフォーミングアートの聖地は、演劇好きの若者たちに絶大な人気があった。 1982年に創設されて以来、現在も続けられているが、今にして思えば、地方の町おこし・村おこしと連携した芸術文化系のイベントの先駆けでもあった。 そこで最も衝撃を受けたのが、1981年に世界初演されたばかりのフランスの振付家マギー・マランによる「May B」(メイ・ビー)だった