10月20日、ドル/円相場はついに150円台に到達した(本稿執筆時点の高値は151.94円)。年初来の値幅は38.47円に達しており、プラザ合意翌年である1986年(50.70円)以来の大相場となる(図表①)。【図表①】 なお、過去にドル/円相場が高いボラティリティに見舞われたのは基本的に円高・ドル安の年であって、円安・ドル高の年で大きな値幅が出ることは極めて稀であった。 今年の値幅は、プラザ合意以降に関して言えば、「史上最大の円安の年」であることにも留意したい。 この状況で日本経済の構造変化の可能性から目を逸らし、「円安は行き過ぎ」という安直な議論に逃げ込むのは、もはや適切とは言えない。 円