ドル暴落の可能性を懸念する言説が散見され始めている。 プラザ合意時を彷彿とさせるドル高水準について、悪影響を指摘する向きは確実に増えており、「11月の20カ国・地域(G20)首脳会議でドル高是正の国際協調があるかもしれない」といった観測も見られ始めている。 さしずめ、第二次プラザ合意とも言えるシナリオだが、本当にそのようなことが起こるのだろうか。簡単に論点を整理してみたい。 今春時点での円安相場は、日本固有の材料をテーマとした雰囲気が強かった。実際、今年3月にドル/円相場は114円から124円まで急騰したが、名目実効為替相場(NEER)ベースで見るとドル相場は横ばいだったのに対し、円相場は▲5