9月19日、英国の女王エリザベス2世が埋葬される時、ロンドンは短時間ながら世界の中心になる。 1世紀前の大英帝国の栄華をかすかに感じさせるように、米国のジョー・バイデン大統領をはじめ数十カ国の国家元首がウェストミンスター寺院で葬儀と賛辞に立ち会い、10億人かそれ以上の一般市民が自宅でその様子を見守る。 これはエリザベス女王の長寿の賜物だ。 70年に及ぶ在位期間は、今ではもう過ぎ去ったあの時代の黄昏とともに始まり、外国への公式訪問と賓客のもてなしに明け暮れた日々だった。 だが、葬儀に対する関心の高さは、女王の成功の表れでもある。 英国内でもめ事が生じ、西側諸国でポピュリストが台頭し、中国とロシア