2022年7月、東京下町にニワ場を持つテキヤ組織が解散した。組織の名は、姉ヶ崎会(旧姉ヶ崎一家など)といい、明治後期の姉ヶ崎一家結成以来、実に130年余りの歴史を有する団体である。 当然、マスコミ各紙はこの解散を報道した。そうした記事の多くに、「ダフ屋」、「暴力団」という用語が散見される。だが、姉ヶ崎会の本流はテキヤだ。 もちろん、姉ヶ崎会と名乗っていたわけだから、その傘下には、玉石混交、白黒様々な枝組織が存在していたことは否定できない。しかしながら、一部が黒だから、全て黒であるという見方には首肯しかねる。 実際、姉ヶ崎会の先達は、様々な形で、戦前は、浅草下町の零細商店を大資本の攻勢から守るた