先週まで台湾に取材に行っていたのだが、その時、テレビのワイドショーで繰り返し話題になっていたのが、台湾企業家の曹興誠(ロバート・ツァオ)が個人資産を投じて民間防衛体制を強化すると発表したニュースだった。 彼は台湾で最初の半導体企業、聯華電子(UMC)の創業者で、ファウンドリー(半導体製造)企業のTSMC(台湾積体電路)会長・張忠謀とともに台湾半導体産業勃興期を作り出した双璧ともいえる人物である。中国大陸で2番目に大きいファウンドリー企業、蘇州和艦はUMCの子会社であり、張忠謀とのライバル関係は、周瑜と諸葛亮にたとえられる。そして、外省人であり、米国帰りであり、1990年代に中国大陸に台湾半導体