一般的にインフレというのは、供給に対して需要が過大になった時や、逆に需要に対して供給が制限された際に発生する。教科書的に言えば、前者はディマンドプル・インフレ、後者はコストプッシュ・インフレということになる。だが、教科書的な区分というのは、あくまで現象を分かりやすく説明するために作られたものであり、現実社会において機械的にキーワードを当てはめるべきではない。 例えば、今回の物価上昇は原油価格の上昇が1つのきっかけなので、一部の論者は、典型的なコストプッシュ・インフレと説明している。だが、特定一次産品の価格が急上昇しただけで、これほどまで広範囲、かつ継続的に物価が上昇することは通常ありえない。現
一筋縄ではいかない「インフレ対策」、世界経済にいま何が起こっているのか?
大規模なインフレをもたらす「成長の限界」
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