『鎌倉殿の13人』を観ていると、鎌倉幕府の成立過程は暗闘と策略・謀殺の連続だったことがわかります。「こんなに血なまぐさいゴタゴタばかりで、よく組織が崩壊しなかったものだ」と、不思議に思った方はいませんか? でも、本当は逆。暗闘・策略・謀殺の連続だったからこそ鎌倉幕府は存続しえた、と言ってよいのです。どういうことでしょう? まず、幕府が崩壊しなかった理由として、暗闘の割には、鎌倉で大規模な武力衝突が起きにくかったことが挙げられます。実は、さきざきには和田合戦のような大規模な市街戦も起きるのですが、あまり多くはありません。御家人たちの抗争は、策略・謀殺が主流だったのです。 前回説明したように、武家の