米WTI原油価格は8月に入り、1バレル=90ドル前後で推移している。ロシアのウクライナ侵攻後の上昇分がすべて帳消しになった形だ。月間ベースの原油価格も6月、7月と2カ月連続で下落していた。 ロシア産原油の国際市場からの締め出しなどの「供給懸念」は依然存在するものの、市場の関心は世界経済の景気後退による「需要不安」の方にシフトしつつある。 供給サイドの動きを見てみると、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの大産油国で構成されるOPECプラスは3日の閣僚会合で9月の原油生産量を日量10万バレル増加させることで合意した。8月の増加目標(日量64万8000バレル)に比べて小幅だが、OPECプラスの実