幕末文久期(1861~64)の薩摩藩を牛耳っていたのは、島津斉彬の後継藩主・忠義の実父である島津久光であった。その久光を補佐し、国事周旋の活動に尽力していたのは小松帯刀・中山中左衛門・堀次郎(伊地知貞馨)・大久保利通の4名であった。筆者を始め、歴史家の中には、この4人を「久光四天王」と呼称している者もいる。 しかし、必ずしも4人全員が誰でも知っている人物とは言い難い。大久保利通は別格として、このところ小松帯刀には多くの新しい史実の発掘が相次いでいる。そして、幕末薩摩藩にはなくてはならぬ存在として、クローズアップされてきている。しかし、中山中左衛門や堀次郎は相変わらず、知る人ぞ知る人物に止まって