7月21日の夜、スリランカの最大都市コロンボの海に面した大統領府には安堵感が広がっていた。 9日にデモ隊が占拠し、寄贈された本を並べて図書室に変えていた正面玄関の広間では、一握りの抗議者がぶらぶらしている。 ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領を追い出し、失脚させることに成功したから、大統領府を翌日国に返すと話していた。 新政権は違うことを考えていた。 そのほんの数時間後の22日未明、暴動鎮圧用の装備に身を固めた警察官や兵士の一群が大統領府に残っていたデモ参加者たちの排除に乗り出した。 屋外に設けられていたテントを倒し、金属製のバリケードを築き、数人を逮捕した。病院に運ばれるほどの大けがをしたデモ参加