20世紀前半にアメリカの東アジア・西太平洋地域での覇権拡大行動に果敢に挑戦した日本に代わって、ここ数年来、中国がアメリカの東アジア・西太平洋地域での覇権維持に異議を唱えている。四半世紀を費やして海洋戦力を強化してきた中国は、アメリカの価値観に基づいた国際秩序、とりわけ国際海洋法秩序なるものを破壊しアメリカの覇権を侵食する勢いを強めている。 これに対して、ソ連との冷戦に打ち勝って以降「兜の緒を締め忘れて」慢心してしまった米軍指導部主流や多くの政治家たちは、軍情報機関や一部シンクタンクの中国専門家たちの警告を軽視し、中国による海洋戦力(海軍力、航空戦力、長射程ミサイル戦力)の強化努力をみくびり続け