安倍晋三元首相の銃撃事件は、中国でも戦後の日本政治史における最大の惨事として伝えられた。一部の“反日分子”がインターネット上で心無い言葉を撒き散らす一方で、親日派の人々は「日本は唯一の政治リーダーを失った」とその死を惜しんだ。 中国人にとって安倍氏は、良くも悪くも影響力の強い政治家であり、その評価は複雑だ。安倍氏は、大国を標榜する中国と伍して渡り合える日本の政治家だったからだと言えるだろう。2000年代から今に至る20余年、日中関係が激動の波に呑まれる中で、安倍氏は“硬軟織り交ぜた絶妙なバランス感覚”を発揮し、日本企業の対中ビジネスの道を拓いた。 2001年から毎年続いた小泉首相(当時)による