インドシナ半島の内陸国ラオス。人口は約730万人、国土のほとんどを山岳地帯が占め、長年経済発展から取り残されてきた。1人当たり国内総生産(GDP・名目)は約2626ドル(2020年)で東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国ではミャンマー、カンボジアに次いで低い。これまでは文化的類似性から隣国タイとの結び付きが強かったのだが、ここ数年で北方の「巨人」が凄まじい勢いで影響力を拡大している。その足取りはコロナによる鎖国中も止まることはなかった。渡航規制の解除を待って、現地に足を踏み入れた。 影響力を最も象徴するのは何と言っても2021年12月3日に中国主導で開通した「中国・ラオス鉄道」だろう。