7月10日に投開票された参院選は、自民党が弔い合戦ムードの中、単独で改選過半数という空前の勝利を収めた。安倍晋三元首相の死去について、メディアは「銃撃」などと表現しているが、「暗殺」と明記すべき大事件であり、凶悪なテロであるという事実をもっと強調するべきだろう。 さて、自民党の参院選大勝で岸田文雄政権は盤石になったかのように見えるが、実際は異なる。政界最高実力者として個別政策から党内政局まで、圧倒的な影響力を保持してきた安倍元首相の突然の死去は、永田町の力学に大きな変化をもたらすからだ。党内最大派閥・安倍派の跡目をめぐる争いに直結し、「反岸田」の面々を勢いづかせる可能性もある。誰が安倍元首相の