ウクライナ戦争で化石燃料の価格が急上昇する中で、原子力をめぐる状況が大きく転換している。脱炭素化の「タクソノミー」をめぐって議論が続いていた欧州議会は7月6日、原子力と天然ガスを「持続可能」と認めるEU委員会の提案を承認した。これには法的拘束力がないが、今後の脱炭素化投資では原子力が有力な選択肢となる。 昨年(2021年)「ネットゼロ」(温室効果ガス排出実質ゼロ)報告書で再生可能エネルギーがエネルギーの主役だと謳い上げた国際エネルギー機関(IEA)は今月、2050年に原子力発電量を2倍にする必要があるという報告書を発表し、「原子力の新しい夜明け」を予言した。 EU(欧州連合)はネットゼロを提唱