結城朝光のふとした「つぶやき」がきっかけとなって起きた、梶原景時の追放事件。噂が噂を呼んでバッシングが起きる、鎌倉版の「炎上案件」です。人間の基本的な心理や行動は、SNSがあろうが無かろうが本質的には変わらないものですね。 ところで、この事件に関して、『吾妻鏡』にはちょっと面白いエピソードが記されています。 景時の排斥をもくろんだ三浦義村と和田義盛は、同志たちと鶴岡の境内に集まって気勢を上げます。そして、景時の弾劾状を頼家に提出しよう、と盛り上がりました。ところが、弾劾状を書ける者が誰もいません。 そのうちに公事奉行人、つまり文官の中原仲業(なかなり)という者が、たしか景時に恨みを持っていたは
梶原景時追放を引き起こした鎌倉版「炎上案件」はどのように起きたのか?
鎌倉殿の時代(28)結城朝光の「つぶやき」と東国武士たちの読み書き事情
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