並み居る財閥がひしめく中、戦前に最大規模を誇った三井財閥。本連載ではその三井財閥の歴史を追っています。 前回(「52歳の創業で大繁盛、三井創業者の非凡な商才とは」)は、三井家の創業者と名高い三井高利(みつい・たかとし、1622~1694年)の人生と、明治維新の動乱を三井家がどのように乗り切ったのかを紹介しました。 今回は、明治に入り事業が企業組織化される中、その後の三井財閥の中核企業となっていく三井銀行と三井物産の設立過程、さらに三井グループが外部企業を傘下に収めて「財閥」と化していく過程を追っていきます。 明治維新を経て薩長土肥を中心とする新政府が設立されると、明治政府は金融政策において西欧