性差医療という言葉をお聞きになったことがあるだろうか。性差医療は、男女の違いは生殖系の臓器だけでなく男女共通の臓器やシステムにも性差が存在すること、この違いを認識することで、男女ともに医療の精度と質を向上させることができるという概念を取り入れている。性差医学はその差異を研究する学問である。 性差医療は、(1)男女比が圧倒的にどちらかに傾いている病態(例えば痛風は男>>女、膠原病は女>>男と有病率が異なる)、(2)発症率はほぼ同じでも男女間で臨床的に差を見る疾患(心筋梗塞など)、(3)生理的・生物学的解明が男性または女性で遅れている疾患などに関する研究を進め、その結果を疾病の診断・治療・予防へ反