ロシアのウクライナ侵攻から100日以上が経過した。その侵略戦争をミクロレベルまで細かく口をはさんで戦争指導しているプーチン大統領は、その思考において、明瞭に現れたパターンがある。 それは、「長期的なロシアの国益や繁栄」「ロシアの国力充実」という戦略上の勝利を重視するのではなく、「ロシア帝国復興の物語において象徴的な拠点の征服」「プーチン大統領自身の権威の維持」など、戦略上あまり意味のない勝利を重んじる傾向である。 そのため、終戦後に成就させたい国際秩序の構想や、戦争で実現すべき大義そのものが存在せず、国際政治の現実と乖離した願望のみで無計画に突っ走り、貴重な人的・軍事的資源を無意味に浪費するば