中国の大都市上海市では3月28日からロックダウン(都市封鎖)が始まり、5月末で約2か月が経つ。 上海市の副市長は5月16日の記者会見で、住民への外出制限を段階的に緩和し、6月1日から6月中下旬にかけて、「正常な生産と生活を全面的に回復する」と述べた。 この間、あまりにも厳しい封鎖措置に、上海市民からは悲鳴と怒りの声が上がり、国際社会からはサプライチェーンの混乱・悪化などの世界経済や私権制限による人権に及ぼす影響の甚大さが指摘され、「ゼロコロナ政策」は持続不能だとの見解が示された。 しかし、それでもなお中国はゼロコロナ政策からの政策転換ができない。なぜか――。 それは、国家を超越し、その上位から