5月23日、欧州中央銀行(ECB)はラガルド総裁の名前で突如「Monetary policy normalisation in the euro area」と題したブログを発表した。その中の一節で、拡大資産購入プログラム(APP)の早期終了と、これに伴う7月中の利上げ、さらには7~9月期中のマイナス金利脱却まで宣言されるという動きが見られた。 2週間後(6月9日)に政策理事会があるにもかかわらず、ブログという形で、これほど重要な見通しを総裁名義で情報発信することは前例がない。それほどまでに物価上昇に危機感を覚え、「正常化を急ぎたい」ということだろうか。 しかし、一連の情報発信は漸進主義を標榜し