北欧の安全保障体制が猛烈なスピードで変化している。日本を訪問したフィンランドのサンナ・マリン首相は、5月11日、岸田文雄首相と会談し、ロシアによるウクライナ侵略を非難した。そして、両首相はロシアの脅威に対する安全保障上の認識を共有した。翌12日、同国のニーニスト大統領とマリン首相は、フィンランドのNATO加盟へ踏み切った。ロシアのウクライナ侵略が国民世論を大きく変えたのである。侵攻前には20%台だったNATO加盟支持が、直近の世論調査では78%にまで伸びている。