ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は、5月9日の旧ソ連が第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した「戦勝記念日」を、ひとつの節目にする見通しだ。東部のドネツク、ルガンスク2州を含む実効支配地域の「併合」に言及する、あるいは「特別軍事作戦」としてきた侵攻を「戦争状態」と宣言して総動員をかけるなどの観測が飛び交う。だが、旧ソ連に属していたウクライナにとっても、5月9日は「戦勝記念日」である。いまから11年前の2011年5月9日、私はそのウクライナの首都キーウ(キエフ)にいた。