遅れて産業革命を経験する国は、政府がリーダーシップを握って最新式の設備や技術を導入することで、一気に先進国に追いつけると言われている。明治時代に起こった日本の「産業革命」はまさにその典型だった。主役は綿糸や綿織物などの繊維産業だ。ただしこの成功は、欧米先進国では産業発展がかなり先行して、すでに綿業が経済の主流ではなくなっていたからこそのもの、と見ることもできるのである。