今年の夏もすっかり終わろうとしている。日本では毎年8月になると、メディアが一斉に「終戦記念」特集を組んで、第二次大戦で敗戦した日本の惨状を伝える。だが、今年は東京五輪やパラリンピックの開催が重なったせいか、戦争の記憶を呼び起こすような報道は例年ほど多くはなかったようだ。ただ私はこの時期になると、日本の敗戦とその後の占領期に関わった、ある米国軍人を思い出す。彼は終戦の年の夏に日本にやってきてマッカーサーの右腕として活躍し、そして2年後の夏、太平洋に散った人物だ。