2500年以上前に中国で生まれ、世界中に影響を与えた思想家・孔子。彼の教えをまとめた「論語」は、日本やアジア諸国に広まり、現在に至るまで、多くの人が手に取ってきた。 この論語の内容は、昔も今も変わらない。しかし、それに対する解釈は、時代や国によって少しずつ変化しているという。同じ孔子のひとことでも、読まれたときの時代背景や、国の置かれた状況により、違った意味で受け止められているのだ。 そんな論語の「解釈の変化・変遷」を研究している人がいる。国士舘大学 人文科学研究科 人文科学専攻の松野敏之教授(博士)だ。中国思想を専門とする松野氏は、孔子が確立した「儒学」を研究してきた。「論語では、人間関係や