NHKの大河ドラマ『青天を衝け』。6月13日に放送された第18回目「一橋の懐」は、明治維新の4年前にあたる元治元年(1864)から翌年の出来事が描かれていました。実は、ドラマでは触れられませんでしたが、武田耕雲斎率いる水戸の天狗党が降伏を決めるとき、敦賀の新保宿で耕雲斎と直接やり取りを行ったのは、加賀藩の藩士たちでした。その渦中に、本連載の主人公である『開成をつくった男、佐野鼎(さのかなえ)』(1829~1877)がいたことは、あまり知られていません。