連載の第64回で、日本の高度経済成長について述べました。戦争で焼け野原になった日本が急速に復興する奇跡の経済成長を牽引したのは、生産財ではなく、消費財でした。つまり消費文化の急速な浸透が経済成長を一気に加速させたのです。実は戦前にも、消費文化が開花した時代がありました。それは1920年代の「モダンガール」に代表されるような、人々が欧米の社会やファッションに憧れを抱いた時代でした。