安政5年(1858)4月23日、将軍継嗣問題と条約締結問題を抱え、危機的な状況にあった幕府では、井伊直弼が突如として大老に就任し、辣腕を振るい始めた。井伊は6月19日に通商条約の違勅調印を強行し、6月23日には堀田正睦・松平忠固の両老中を罷免したのだ。