2020年度の貿易収支は1兆3000億円の黒字となった。黒字に戻ったのは3年ぶりだ。ただし、手放しでは喜べない。貿易黒字と言えば、輸出増や好景気が連想されやすいが、2020年度の輸出額は前年比▲8.4%と2年連続で減少した点に注意を要する。また、2020年度は米国向けが17.9%へ低下する一方、中国向けが22.9%へ上昇し、過去最高を記録した。これは、日本経済にとってリスクである。