上杉謙信という稀代の戦国大名を主人公に、彼が15年にわたって繰り返した関東遠征=越山の理由を掘り下げた力作だが、上杉謙信の視点だけでなく関東の武将たちの言動を一次資料より丹念に掘り下げている。さまざまな景色から浮かび上がる「謙信像」は、歴史の見方、ひいてはものの見方の一助になっている。著者・乃至政彦氏に聞く「歴史で磨く思考術」。