映画『おらおらでひとりいぐも』の主人公は74歳、一人暮らしの桃子さん(田中裕子)。原作はシニア世代に「これは“私の物語”だ」と圧倒的支持を得て、芥川賞・文藝賞に輝いたベストセラー小説。映画を観て、原作を読み、私がまず思ったのは亡くなった母のことだ。「これは母のことではないか。母はきっとこんなことを思っていたのではないか」と親近感を覚えずにいられなかった。