日本学術会議の新会員候補のうち6名を菅義偉首相が任命しなかった問題がいまも国民の大きな関心を呼んでいる。論点はいろいろあるのだが、その中でどうしても腑に落ちないのは、「任命拒否は学問の自由を侵害するもの」という主張だ。研究を止められたわけでも、大学や研究機関を追われたわけでもない。なのに、なぜこの問題が「学問の自由」とセットで語られるのだろうか。