原田社長の会社は、広島市内の中心部の大手不動産会社のビルの4階にあった。約束の5分前、恭平は受付に立った。応接室に通された恭平は、案内されたソファーの横に立ち原田社長の入室を待った。応接室に入ってくるなり、原田社長はソファーにどっかと腰を下ろし足を組み、腕組みをした。恭平は腰を90度曲げ、深々と頭を下げて詫びた。