コロナ禍の波にのまれたヨーロッパで、メルケルの存在感が高まっている。この2月までのメルケルへの評価は下がる一方で、在位14年を経てもはや満身創痍、政治的にも肉体的にも力尽きたとまで言われた。2021年9月の任期満了を待たずに自ら幕引きをすべきではないかという声も上がっていた。新型コロナウイルス感染症の拡大は、追い詰められたメルケルに、思わぬ形で強い指導力と信頼感を取り戻すチャンスを与えた。