1720年、フランスの港湾都市マルセイユが、ペストの猛威にさらされた。10万人ほどいた人口の約半数が命を落とすという大惨事になった。感染源は、レバノンから帰ってきた交易船。乗組員のペスト感染が疑われる状況だったが、この船が高価な商品を運んできたため、本来の決まりよりも緩い隔離体制におかれた。これが取り返しのつかない事態を招いてしまった。