「ロービジョン(low vision)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。全く見えないわけではないが、さまざまな原因で視機能が低下し、眼鏡をかけても生活に支障のある視覚障害の状態を指す。原因には、緑内障や白内障、糖尿病網膜症など加齢にともなう病気が多い。視力が低下したり、視野が狭くなったりと多様な見えにくさがある。日本眼科医会の発表によると、ロービジョンの症状に悩む日本人は144万9000人に上り、多くの人が生活するうえで困難を抱えている。これほどロービジョンに悩む日本人が多い中で、その言葉自体はほとんど知られていない。これについて、同分野の研究に取り組む東京女子大学 現代教養学部 心理・