昨今、ビジネスシーンでも哲学の重要性が増している。書店に行けば、ビジネスパーソンが手軽に読める哲学関連の書籍も多い。先の予測が難しく、変化が激しい今の時代、我々が直面する問題は複雑化・多様化しており、それらを解決するためには哲学の考え方や素養が役立つと言われている。そんな哲学のうちカント哲学を専門とし、人工知能などのテクノロジーを哲学的な観点から捉えようとしているのが東京女子大学 現代教養学部 人文学科哲学専攻 黒崎政男教授だ。そもそも哲学とは何か。根源的なもの、普遍的なものを探究する学問が哲学であり、考える行為自体も哲学であるといえる。たとえば、“世界とは何か”、“人間とは何か”という問いは