柚月裕子の最新刊となる『検察の信義』は、読めば間違いなくハマると噂される「佐方貞人」シリーズの4作目である。主人公佐方は寡黙にして有言実行、人あたりはいいが、けっして信念を曲げない。上長によってねじ曲げられた「論理」や「理屈」を見過ごすことなく、自らの信念を貫く様は、変革者のそれである。