37年間辞書編集部に籍を置いて辞書を編み続け、『日本国語大辞典(日国)』第二版の編集長なども歴任したの、悲喜こもごもの回想録である。地味で平板な仕事とは言われつつも、なかなかに色鮮やかな人間模様が見えてくる。これはことばの源泉が人間の営為にあることにほかならない。