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コミュニケーション
2018.03.03

ラーメン屋にもAI 。人工知能で変わる「おもてなし」
AIによる接客で、人手不足解消も

BY

のれんをくぐってお店に入って席に座る。

「マスター、いつものやつちょうだい!」

と注文すると、それ以上は何も言わずともお気に入りのメニューが提供される。

これは飲食店の常連になることで得られる楽しみの1つだ。店主の頭の中に嗜好が把握されているということは、たんに常連として認識されている以上の特別感も得られる。

お店側からしても、常連客に特別だと思ってもらえることがリピートしてもらうための大きなポイント。要するに、顧客とお店がWin-Winの関係にあるのだ。

港区芝大門にある「鶏ポタラーメン THANK(サンク)」では、こうした取り組みをAIで実現しようとしている。コミュニケーションロボットのSotaを店舗に設置。あらかじめ専用のアプリで顔写真を登録することでSotaが顔認識を行い、来店回数に応じてトッピングを無料提供する仕組みを作っている。

「鶏ポタラーメン THANK」の券売機

現時点ではAIによる恩恵が「ポイントカードの置き換え」までという状況ではあるが、ロボットによる接客事例はそこまで多くなく、エンターテインメント性に優れている。顔認識をして条件分岐をしサービスを変更できるロジックが整えば、常連客へのサービスは大きく前進するだろう。

クラウド型顔認識技術が顧客サービスを支える

Sotaに導入されている顔認識システムを開発したのがヘッドウォータース。ここでは人型ロボットの先駆け・Pepperをはじめとしたロボットへのアプリ提供を行っている。中でも「SynApps(シンアップス)」という顔認識ロボットアプリが核となり、ロボットとAIを組み合わせたサービスも多数展開しているのだ。


SynAppsを活用したサービス事例として、居酒屋の卓上にSotaを置いて飲み会の会話に参加する「飲みニケーションロボ」を開発したり、北海道発の人気ラーメンチェーン・山頭火のUniversity Village店(アメリカ・シアトル)でもSotaが顧客に合わせてメニューのレコメンドを行ったりするなど、エリア・言語を問わずプロジェクトが行なわれている。同社のロボットを活用した接客事例は今後ますます増えていきそうだ。

広がるAIのおもてなしサービス

AIやロボットを活用したおもてなしサービスは他にもいろいろ行なわれているので、事例をいくつか紹介しよう。

老舗旅館はAIのFAQを活用して予約を2桁増

箱根の老舗旅館「ホテルおかだ」は2017年5月、同旅館の公式HPのFAQ画面にAIを導入した。海外からの予約や、オンライン経由の問い合わせが増えるなど、ネットに絡む業務が多様化するなか、人材育成に課題があった同旅館だが、AIを活用することで解消を図った。

「ホテルおかだ」のWebサイト

AIを導入するまで、問い合わせにはスタッフが電話応対を行なっていた。しかし、9時から19時を中心とする限定的な時間だけの人的な対応だったため時間外の問い合わせには対応できなかった。FAQシステムを導入したことで、電話応対ができない時間帯の問い合わせをカバーしてくれることが成果に繋がったのか、予約数が向上しているという。


Web制作会社が送るAI接客システムは多くの領域に対応

10代の若者が利用する「SHIBUYA109」でもAIを活用した接客が行なわれている。

「SHIBUYA109」内に店舗を構える「SBY」の店頭には デジタルサイネージ型の人工知能接客システムが設置されており、問い合わせに対して音声やテキストで対応している。店内には「新スタッフの『ゆう』です」などと紹介されており、利用者は話しかけたり画面にタッチしながらお店の商品情報を得ることができるようになっている。

「SBY」の店頭に置かれたデジタルサイネージ


接客業務をAIが行うことで、人手不足の解消や空白の時間を作らないようにすることができる上、問い合わせ内容を蓄積し分析することで顧客サービスの向上も図れるという。

顧客データの活用が更なる顧客サービスの向上へ

様々なシーンでAIによる顧客対応が行われ始めているが、これらには2つの側面がある。

1つは人に変わってAIやロボットが対応することによる、人件費の削減やサービス時間の延長などを含めたサービスの質の向上。もう1つは、顧客対応をしたログを蓄積することで、そのデータを活用し更なるサービス向上へつなげる動きだ。

AIの特徴として見逃してはならないのが疲れによる間違いがない、ということだ。そのため機会損失を減らすことができ、対応数も人間以上にこなすことができる。

そこから蓄積されたデータを分析すれば、そのビジネスの利用者がどのような疑問・質問を持つのかがおのずと見えてくることだろう。サービスをしながら同時にアンケートを取っているようなものだからだ。

利用者の声を多く聴き、サービスに反映することができるAIの導入によって、サービスの質の向上ができる。接客業にとって、AI導入は避けて通れないほど重要な存在になるのではないだろうか。

JBPRESS

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