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コミュニケーション
2017.11.18

フェイクニュースはどこから来るのか
国内外で問題視され、流行語大賞にノミネートされたが

「フェイクニュース」という言葉を聞いたことはあるだろうか。読んで字のごとく「嘘のニュース」、デマ情報だ。欧米のニュースでは少し前から社会問題として取り上げられている単語だが、昨今国内でもこの単語をよく見聞きするようになってきた。

なぜ今、世界中で話題になっているのか、きっかけとなった出来事はあるのか。その辺りの事情も含め、本記事ではフェイクニュースについて解説していく。

まずは言葉の意味をもう少し詳しく見ておこう。朝日新聞社『知恵蔵』を見ると、フェイクニュースとは下記のように定義されている。

「虚偽の情報でつくられたニュースのこと。主にネット上で発信・拡散されるうその記事を指すが、誹謗(ひぼう)・中傷を目的にした個人発信の投稿などを含む場合もある」

つまり、ある程度社会的に認められているメディアが発信する情報でなくとも、またニュースの体裁がとられている記事でなくとも「フェイクニュース」たり得るというわけだ。

たとえ個人による何気ない十数文字のSNS投稿、写真一枚であっても、拡散されれば十分「フェイクニュース」になってしまう可能性はあるのだ(もちろん、誰が見ても明らかに「うそ」とわかるものは除く)。それを念頭に置いた上で、読み進めてみて欲しい。

フェイクニュースが起こした米国「ピザゲート」発砲事件

クリントン氏が児童買春組織に関わっており、その拠点が「コメット・ピンポン」というピザ店である――という、米国の巨大掲示板「4chan」から広がった陰謀論(フェイクニュース)を信じた男性がライフルを手にピザ店へ乗り込み、発砲するという事件が起こったのだ。

幸いけが人はいなかったが、このショッキングな出来事は「ピザゲート事件」と呼ばれ、世界中に衝撃を与えた。

フェイクニュースを信じた男による発砲だった(写真はイメージ)

欧米でにわかにフェイクニュースが問題視されるようになったのは、昨年(2016年)行われた大統領選中に繰り広げられた「フェイクニュース合戦」によるものが大きいだろう。

「ローマ法王がトランプ氏を支持することを表明した」など様々なフェイクニュースが飛び交い、一部では選挙結果に影響したとも言われている。

日本の巨大掲示板でもしばしば、実際は全く関連性のない断片的な情報をつなぎ合わせ、意味を持たせる「遊び」は行われている。もちろん、そこへ参加する大多数は書き込みが事実でないことは承知の上で議論に参加しているのだろう。それ自体は昔から行われていたことで、特に目新しいものではない。

しかし今はまとめサイトや個人ブログ、そして恐るべき拡散力を持つSNSの存在がある。インターネットの隅で、当事者同士だけで話していたはずのことであっても、ふとしたきっかけであっという間に拡散されていってしまう。

それも人から人、メディアからメディアへと渡っていく中で情報は変質していき、どんどん過激な内容になっていく傾向にある。少し考えれば憶測レベルに過ぎないと分かる内容だったとしても、目を引く記事タイトルや写真が盛り込まれていれば、人は簡単に誘導されてしまう。

Googleのフェイクニュース対策

何気ない発言が拾い上げられ拡散され、結果的にフェイクニュースとなってしまう場合もある。しかし最近はフェイクニュースを積極的に作成、拡散しようとする人々も多い。先述の大統領選のように世論を操作する目的の場合もあるが、その目的はPVを稼いで広告収入を得ることだ。

フェイクニュース記事はその時々の検索されやすい言葉やトレンドをよく研究して作られているので、目につきやすい。思わずクリックしたくなるようなタイトルなのでつい開いてしまうが、多くは憶測の域を出ず、中身のない記事である。

検索エンジン最大手のGoogleも、低品質な記事が検索上位に表示されてしまう事態を重く受け止めている。こうした事態を改善するため進められていた「Project Owl」の下、今年4月に検索アルゴリズムと検索品質評価ガイドラインが大幅にアップデートされた。

Project Owl の詳細は、Googleの「ウェブマスター向け公式ブログ」でも公開されている。

Google 検索における最新の品質向上について(日本語)

(以下引用)
今日、検索エンジンを出し抜こうとする新たな手法も登場しました。この中でも、もっとも顕著なものの一つが、明らかに誤解を招く内容や、低品質かつ攻撃的なコンテンツ等によって、悪意のある情報を広める「フェイクニュース(偽ニュース)」です。

このようにコンテンツ作成者とユーザーを結ぶ検索エンジンは、フェイクニュースのような事実確認が取れていない情報、価値の低い情報を排除し、ユーザーが本当に必要とする情報にアクセスできるよう、日々改善されているのだ。

他にもGoogleは、日本向けに独自のアップデートを起こったことを同公式ブログで発表している。

日本語検索の品質向上にむけて(日本語)

(以下引用)
ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。

昨年末話題になった「WELQ」問題が思い浮かんだ読者も多いだろう。

これは内容の薄いキュレーションサイト記事が検索上位を独占していた当時の状況に対処するためのもので、日本向けに独自アップデートが行われるという極めて異例な事態だった。

フェイクニュースに踊らされないために

検索エンジンは日々進化している。しかし少し話題のキーワードで検索してみると分かるが、フェイクニュースは依然として検索上位に表示される。

フェイクニュースや低品質記事の発信者は、とにかくPVを稼ぐため、あるいは広告をクリックさせるためにあの手この手でアルゴリズムの隙を突こうとしてくる。

なので、もしあなたに万が一「検索して一番上に出てきたのは正しい情報だろう」と思ってしまう癖があるのだとしたら、今すぐ改めよう。

キャッチ―な単語を見ると、すぐSNSでシェアしてしまいがちな方は注意が必要だ。たとえ何万人ものユーザーが拡散している投稿だったとしても、その人数は情報の正確さを担保してくれるものではない。

フェイクニュースの多くは、少し立ち止まって考えれば嘘と見抜けるものばかりだ。

衝撃的な情報だったのならなおさら、真偽を見極めようとすることが大切だ。情報の出典元が明記されているかどうかはもちろん、そのニュースの背景を知ることも必要となる。

誰もが気軽に発信できる世の中だからこそ、自分の発信には責任を持ちたい。「シェア」ボタンを押すだけでも立派な発信だ。知らぬうちにフェイクニュースの拡散に加担しないよう、情報の真偽を見極める目を磨いていこう。

JBPRESS

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