IoT(Internet of Things)の最新ニュースや企業&ベンチャー事例(ケーススタディ)ほぼ毎日掲載

イノベーション
2017.09.28

インダストリー4.0の力添えで動き始めた日本のIoT活用
日本版第4次産業革命が地方創生と経済成長を促す

BY

日本と同じものづくり大国であるドイツが官民一体で進める「インダストリー4.0」によって、
工場のデジタル化が世界に先行して進んでいる

台湾発IoTカンパニーが日本の地方創生を始めた

 1983年、米パソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)のエンジニアが独立して創業したアドバンテックは、産業用コンピュータの分野において世界トップシェアを持つ、台湾発のグローバルIoTカンパニーだ。

 2010年から「インテリジェント・プラネットの実現」というコーポレートビジョンを掲げ、IoT関連ビジネスに積極的に取り組んでいる。現在はエンベデッドIoT 事業 (組み込みをベースとした事業)、インダストリアルIoT事業(工場の効率化などのファクトリーオートメーション事業)、サービスIoT事業(医療/物流/リテールなどの完成品ベース)の3つを軸とし、IoT及び開発の基礎となる組み込みソリューションを強みとする。

 なかでもエンベデッドIoTグループは、幅広い組み込みコンピューティング製品を優れたデザイン・インサービスとともに提供しており、その提供範囲はボードからシステムソリューション、統合IoTソリューションなどと多岐にわたる。

アドバンテック共同社長兼
エンベデッドIoTグループ責任者
ミラー・チャン氏

 2017年9月20日に東京・品川にて開催された「アドバンテック 組込みデザイン・イン・フォーラム 2017」では、共同社長の一人でありエンベデッドIoTグループ責任者でもあるミラー・チャン氏が登壇し、同社が「モノのインターネット化での新しいエコシステムは、現在次世代の組み込み市場に向けて画期的な新しいビジネスモデルを作り上げている」と述べている。

 アドバンテックは他社との協業でエコシステムを構築し、その裾野を拡大中だ。クラウドやデバイスなどでさまざまなエコパートナー企業とのパートナーシップの強化により、スマートシティやIoTソリューションビジネスの開拓を進めている。

 エコパートナー企業の一つ、マイクロソフトのIoTデバイス本部 村林 智氏が同フォーラムに登壇し、人材不足の世の中にIoTで貢献する意欲を語った。

自社を「デバイスの気持ちがわかるIoTベンダー」
と評する
日本マイクロソフト IoTデバイス本部
村林 智氏

 村林氏によると、県単位、市町村単位でどうやってIoTを活用するかが、現在の課題の一つだという。たとえば神奈川県川崎市の中小企業が、千葉県で稼働している工場のラインが止まった場合に、川崎市から千葉まで社員が移動して再稼働させるなど人員コストが負担となってしまう。これをIoT活用で遠隔から生産設備の異常・故障監視ができれば、異常を発見するまでの時間的ロスやダウンタイムの長期化や後工程への影響を最小限に抑えることもできる。

 アドバンテックも、日本での「IoT活用による地方の活性化」が急務とし、地方のIoTへのリテラシーを高める活動「アドバンテック IoT47プロジェクト」を遂行中だ。2017年2月から、金沢、長野、静岡、兵庫、横浜などでIoTに関するセミナーを開催し、地方×IoTでグローカルの実現と活性化を目指している。

製造現場のデータを生かす日本の第4次産業革命

 ものづくり大国日本にとって、工場の大幅な効率化とコスト削減は重要な取り組みだ。IoT技術でさまざまな製品やサービスが遠隔地でも相互に連携する「第4次産業革命」に向けて、政府は「コネクテッド・インダストリーズ」という戦略を打ち出している。

 製造業のデジタル化で先行し「インダストリー4.0」を推進するドイツ政府に対し、日本の強みは何か。それを日本政府は製造現場に蓄積された極めて正確なデータとし、3月にドイツで開かれたCeBIT2017で、日本とドイツで共同声明「ハノーバー宣言」を発している。日本は、製造現場のデータという強みを生かしつつ、ドイツのインダストリー4.0の力を借り、産業の革命を進めていく構えだ。

 また、総務省は情報通信白書平成29年版で、日本の2030年までの経済成長シナリオを「IoT化と企業改革などとが進展した場合、IoT/AIは需要創出ともあいまって2030年の実質GDPを132兆円押し上げ、725兆円」になると推測する。その一方、同白書で「投資意欲について、日本(一般企業)の遅れが目立つ。人材育成や制度・ルール等の環境整備が課題」と指摘している。

IoT化と企業改革が同時進行する経済成長シナリオでは年平均2.4%実質GDPが伸びると試算されている。
IoTのインパクトは大きい
拡大画像表示

 グローバルな力添えを得て日本のIoT化活用が進んでいる。しかし、IoT活用に日本が乗り遅れると今後の経済成長に大きく影を落としてしまう。企業とビジネスパーソンそれぞれが、人材育成などの課題に待ったなしで取り組むべき時期に来ているのは間違いない。

JBPRESS

記事ランキング

  • 直近1時間
  • 昨日

話題のキーワード

注目連載

あわせてお読みください

IoTニュース

意義あり? 誤解?--IoT脅威を可視化する「NOTICE」プロジェクトの舞台裏
PTC、DX支援を鮮明に--「LiveWorx 19」で見えた“製造業×AR”の未来
IoT市場は今後どうなる? 急速に立ちがるIoTセキュリティの「市場」と「懸念」
ソフトバンクと米VANTIQが資本・業務提携、リアルタイムなデータ処理を行えるIoTサービスを提供可能に
狙われた大量のIoTデバイス なぜ攻撃される? 有効な対応策は
今「稼げるテクノロジー」は何なのか CompTIAがテクノロジーランキングを発表
レノボ、厳しい設置状況に対応したエッジサーバー「ThinkSystem SE350」
ニホンミツバチの養蜂IoTにsakura.ioを活用してみた
【IoT時代の無線通信技術「LPWA」とは?】(第19回)メッシュ前提の転送方式「CTF」を採用した「UNISONet」【ネット新技術】
IoTとものづくり関係者によるビジネスの祭典、来場者募集
スマホ上でIoTデバイスの開発、「obniz PoCキット」+Styleで販売
Society 5.0で加速する「デジタルガバメント」、クラウドこそが成否の鍵だ
「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード 2019」の応募を受付中、8月20日まで
徐々に広がる産業用IoTとエッジコンピューティング
ドローンやウエアラブル、新時代のデバイス9種を「生かし切る」3つのポイント
IoTの最先端を行き、通信の民主化を果たす――、「SORACOM Discovery 2019」開催 新サービス/デバイスの発表も

IoTニュース”は、Mynd Engineを活用して、世の中のIoT関連の記事をまとめさせていただき、ご紹介させていただきます。