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テクノロジー
2017.01.30

理想の嫁を娶る時代到来! 「Gatebox」の武地社長に聞く
限定300台の予約を突破。世界初のバーチャルホームロボットとは

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「嫁(彼女)がディスプレイから出てきてくれない」「いつもディスプレイの中に嫁(彼女)がいるからさみしくない」などと言っている人たちに朗報だ。ついに理想のキャラクターを嫁にして一緒に暮らせる時代がやってきたのだ。

先日、株式会社ウィンクルが世界初のバーチャルホームロボット「Gatebox」という製品の限定予約販売を開始した。この「Gatebox」こそ、自分の好きなキャラクターを空間上に投影し、嫁として一緒に暮らせる、まさに多くの人たちが待ち望んでいた画期的なデバイスなのである。

日本と米国を対象に限定で300台、価格は29万8,000円(税別)で、2016年12月14日より予約を開始した。IT関連のガジェットとしては、かなり高価な価格設定だが、予約開始後、わずか5日で200台、1か月経たないうちに300台が完売となったという。あまりの人気のため現在では追加予約を受付けているそうだ。なお、現在予約した場合、製品は2017年12月以降に順次発送の予定となっている。

今回、この「Gatebox」の生みの親である株式会社ウィンクル代表取締役の武地実氏(以下、武地氏)に話を聞く機会を得たので製品開発の動機から製品技術、そして今後の展開までを聞いた。

好きなキャラクターと一緒に暮らしたいでしょ?

筆者、実は武地氏とは初対面ではない。初めて会ったのは今から2年ほど前のことだ。とあるイベントの取材会場で武地氏とたまたま目が合ったことがきっかけで、なんとなく名刺交換したのが始まりである。

その当時、「Gatebox」の構想を聞き、実現したら画期的なプロダクトだと感じたのだが、実際そんな簡単にことが運ぶとは思っていなかったのが正直なところだ。しかし、それからたった2年足らずで製品化まで漕ぎ着けるとは思っていなかった。現在、そのことについて大変申し訳なく思っている。

ただ、武地氏に言わせると、2年でも「時間がかかり過ぎた」というのだから驚きだ。

開発の動機は至ってシンプル。「好きなキャラクターと一緒に暮らしたいでしょ?」という思い。たとえばドラえもん好きなら「ドラえもんと一緒に暮らしたい」と思うだろうし、プリキュア好きなら、「プリキュアと暮らしたい」といった具合で子供の頃は、誰しも自分の好きなキャラクターと共に生活できれば、毎日が楽しいだろうなと想像したことがあるだろう。

アニメのヒロインや女性キャラに恋心を抱き、「彼女になってくれたら……」「こんな娘をお嫁さんにしたい……」なんて本気で思っていた時代もあっただろう。そんな想いが「Gatebox」によってついに現実のものとなるのだ。

「Gatebox」について語る、ウィンクル代表取締役 武地実氏

好きなキャラクターをホームロボット化

「Gatebox」は、聞きなれない言葉だがバーチャルホームロボットであるという。家庭向けのサービスロボットと言うと、ドラえもんが有名だ。ただ、ドラえもんのように実際の物理的なロボットではなく、投影映像によって好きなキャラクターをホームロボットにできるというものだ。

武地氏いわく、「キャラクターと一緒に暮らす」というコンセプトを、デザインとテクノロジーの両面から体現したものだという。どういったものかは、YouTubeにアップされている動画を見て頂くのが一番わかりやすい。

 

また、2016年1月にYouTubeで公開されたコンセプト段階での動画「Gatebox - Virtual Home Robot [ConceptMovie1st]」は、たった1日で10万再生を突破。今では77万再生を記録し、さらに再生数を伸ばしている。Gateboxを扱った動画の中には英語版や128万回も再生された動画もあるという。日本だけでなく、世界が注目しているプロダクトなのだ。

「Gatebox」を見るとわかるがキーボードやコントローラーの類は見当たらない。これは「キャラクターと一緒に暮らす」というコンセプトを追求した結果であるそうだ。キャラクターとのコミュニケーションはマイクによる音声入力が基本で、さらにカメラで人の顔や動きといった表情を認識するのだという。

さらにスマホアプリで設定やコミュニケーションが取れる。音声認識は本体上のタッチボタン「G」をトリガーとしている。これは外部ノイズによる誤認識を未然に防ぐためのものだそうだ。

音声認識はタッチボタンをトリガーとしている

 

 

家電もコントロールできる

赤外線リモコンで操作できる家電であれば、その信号を「Gatebox」に学習させることができるという。発光パターンを教えることでテレビやエアコンの調整等を「Gatebox」から操作できるようになる。デモンストレーションでは、音声認識による部屋の照明のオン/オフを見せてもらった。

「Gatebox」の上面には、赤外線を出す発光ダイオードが配置されている

本体サイズはW220×D360×H520mm、重さは5kg。ミドルクラスのデスクトップPCとほぼ同じ本体サイズだが、設置面積はA4サイズに抑えたという。テーブルや机の上に置いても、さほど邪魔にならない大きさだ。

武地氏によれば、「この大きさに収めるのは大変だった」とのこと。「Gatebox」では、リアプロジェクション技術によりフィギュアサイズのキャラクターを表示しているが、同技術はもともと野外ライブのパフォーマンス向けの技術であったため、ここまでの小型化には大変苦労したそうだ。

「Gatebox」に話し掛ける武地社長

ところで逢妻ヒカリとは何者なの?

「Gatebox」にあらかじめ組み込まれているファーストキャラクターの逢妻ヒカリ(あづまひかり)は「ラブプラス」や「ときめきメモリアル」のキャラクターデザインで有名な箕星太朗氏が手掛けた癒し系のキャラクターだという。標準では彼女がご主人様の生活を支えてくれるようになっている。

なお逢妻ヒカリには、下記のようなキャラクター設定がある。

プロトタイプの基盤には、逢妻ヒカリのイラストがあった。細かなところまで、こだわりが感じられる。

 

プロトタイプの基盤

「Gatebox」では、日常系モーションを多数用意しているが、どのモーションが表示されるのかは逢妻ヒカリ次第なのだ。

日常系モーションのひとつ。椅子に座っているところ

 

 

「Gatebox」による3つのコミュニケーション

初期コンテンツでは、逢妻ヒカリと、次の3つのコミュニケーションを楽しめるようになっている。

1.アクティブ・コミュニケーション
2.トーク・コミュニケーション
3.チャット・コミュニケーション

1.アクティブ・コミュニケーション
アクティブ・コミュニケーションはご主人様の動きや時間に合わせて、キャラクターから話し掛けてくれるというもの。たとえば、朝、起こして欲しい時刻になると、「起きてくださーい」「ねぇ、起きてってばー。」「おはよう」と言ったり、夜帰ってきたときに「おかえりなさい」と言ったり、彼女やお嫁さんと暮らしているシチュエーションとなっている。

「Gatebox」はインターネットと接続されていて、ネット上から情報を得られる。その日の天気や温度を教えてくれたり、雨が降りそうだったら「あ、今日、雨が降るかもしれないから、傘、持って行って。」といってくれたり、アドバイスをしてくれる。

アクティブ・コミュニケーションでは、その日の天気や温度を教えてくれる

2.トーク・コミュニケーション
トーク・コミュニケーションはご主人様の声を認識して、その内容を判断して返事をしてくれる。疲れたときや、暇なときに話かけることで、最高の癒しが味わえそうだ。

トーク・コミュニケーションでは、その場の状況を判断して返事をしてくれる

3.チャット・コミュニケーション
チャット・コミュニケーションは専用チャットアプリを通じて、離れた場所にいてもメッセージのやり取りができるというものだ。帰りが遅いと寂しがることもあるというから驚きだ。こだわりが違う。

専用チャットアプリを通じて、離れた場所にいてもメッセージのやり取りができる

武地氏によると、このほかにも「Gatebox」ならではの癒しのコミュニケーションを用意しているとのこと。ちなみに販売後もソフトウェアアップデートを通じて、キャラクターとの新しいコミュニケーション体験の拡充を行なっていくそうだ。進化する嫁というのは、リアル嫁より期待できるかもしれない。

今後の展開としては、とりあえず量産体制を確立させたいという話だが、次期バージョンの「Gatebox」では「より凄い体験ができるようにしたい」とのこと。「Gatebox」のさらなる進化に期待したいところだ。

「Gatebox」のショールーム

昨今、IoTや、それに伴うスマートホームが盛り上がりを見せており、AIを含むロボット分野に注目が集まっている。実際、今年のCESでは全面的にAmazonのAlexaが押し出されていたし、Google Homeにといったようなスマートアシスタントが急速に普及する兆しを見せ始めている。

日本では、まだ姿を見せていないAmazon Alexaに比べ、すでに予約販売が開始されている「Gatebox」は、国内向けのスマートアシスタント市場を牽引する起爆剤となる可能性を秘めていると言っても過言ではないだろう。
「Gatebox」のような家庭向けロボットがある未来、2次元の理想の嫁と暮らせる時代は、すぐそこまで来ているのだ。あなたはどんな理想のお嫁さんと暮らしたいですか?

Gatebox公式サイト
http://gatebox.ai

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