駒澤大学の前身は、文禄元年(1592年)、江戸駿河台にあった禅寺にあった学問所だ。今から400年以上も前、豊臣秀吉が政権を担っていた時代である。この時代、寺院は地域文化や産業の中心であり、住民たちの精神的なよりどころでもあった。地域の教育機関としての役割も担っており、その精神は今も脈々と引き継がれている。同校では、「仏教」や「禅」の心を基盤とはしているが、それを前面に押し出すことはない。校内を歩いていても、ほかの大学と大きく違うところはなく、通学する学生も一般の大学生と変わらない。ただ、根底を流れる「仏教」や「禅」の思想は、少なからずキャンパスライフに影響を与えているという。「“禅”という言葉