若者は、谷中の墓地に沿った小道を日暮里に向かっていた。牛丼とみそ汁で温まりたかった。司法試験浪人の若者には元日の青空も虚ろに見えた。すると、和服姿であごひげを生やした痩せた老人に呼び止められた