社会に出てサラリーマン編集者という生業を20年近く続け、ひとときの精神的快楽と苦悩を味わうことを繰り返して過ごしてきたが、35歳を超えたあたりから、ただ一日一日を消耗する、怠惰とも言える日常は無力で惨めなものと次第に強く感じ出したのである。