※本動画コンテンツは、2022年9月12日(月)に配信したJBpress/JDIR主催「人・組織・働き方イノベーションフォーラム」の特別講演3「再考:両利きの経営=両利きの組織をどう作るのか?」のアーカイブ配信です。

 真の「両利きの経営」とは、経営資源や組織能力を再活用し、新たな成長領域を見出すことを目的としています。その成功の鍵は「矛盾する組織カルチャー、つまり行動基準をいかにマネジメントするか」にあると、株式会社アクション・デザイン代表取締役、IESE (イエセ)Business Schoolの客員教授を務め、「両利きの経営」の提唱者チャールズ・A・オライリー氏の共同研究者でもある加藤雅則氏は明かします。

「両利きの経営」の基盤となる「整合性モデル」は、KSF(Key Success Structure)、Culture(組織カルチャー)、People(人材)、Structure(公式の組織・仕組み)の4要素が矛盾なく適合することで、組織が機能するというものです。またその実践にあたっては、このモデルにもとづいて経営資源を配分し、既存のコア事業を担う組織と新たな事業を探索する組織を構造的に分けながら、新事業の成果をコア事業に還元できる組織デザインが必要です。

 組織カルチャーの形成の成功事例の1つが、AGC株式会社(旧:旭硝子)の6年間にわたる取り組みです。経営陣が「ありたい姿」への意思表示を行い、そこから現場の提案を引き出す「サンドイッチ作戦」では、トップダウンとボトムアップの合わせ技から例外が生まれ、それが具体的な事例となり、新たな行動基準に定着していきました。

 また近年、注目される人的資本経営にも両利きの観点を生かすことが可能です。単なる人材開発や職場開発にとどまらず、組織能力向上や事業開発と一気通貫でつながることで、その流れの中から勝機が生まれると加藤氏は見ています。

 本動画では、加藤氏が真の「両利きの経営」の実践に向けた組織づくりについて、基礎理論や事例を交えて解説します。