(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが、約1万人の従業員を削減する計画だと、米ニューヨーク・タイムズなどが11月14日に報じた。テクノロジー分野を含むオフィス職が対象で、早ければ週内にレイオフ(一時解雇)を実施する。1994年の創業以来最大の人員整理になるという。

 人工知能(AI)による音声アシスタントサービス「Alexa(アレクサ)」を含むデバイス部門や、小売部門、人事部門が主な対象だが、解雇の規模は依然「流動的」だと事情に詳しい関係者は話している。

 もし1万人であれば、アマゾンのオフィス職従業員の約3%に相当する。主に倉庫などで働く時間給労働者を含む世界従業員数は2022年9月末時点で154万4000人だったが、その1%に満たないことになる(アマゾンの決算資料)。

 だが、アマゾンが安定性を重視するホリデーシーズン中の解雇は、世界経済の悪化を要因に同社が人件費削減を迫られていることを示しているとニューヨーク・タイムズは報じている。

パンデミック時の旺盛な需要で急成長

 アマゾンは22年初め、米国でオフィス職の基本年収の上限を16万ドル(約2250万円)から35万ドル(約4900万円)へと2倍以上に引き上げるなど人材確保・保持に力を入れてきた。

 新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に伴うネット通販とクラウドサービスの需要増でアマゾンは事業を急拡大してきた。従業員数を2年間で2倍に増やし、発送センターや仕分けセンター、宅配ステーションなどの物流ネットワークも2年でほぼ2倍に拡大した。